派遣社員として8年間働いて

派遣社員として働く前は、小さな教育系の財団法人で7年間勤務しました。そこで秘書的業務、総務、簡単な経理、一般事務全般の経験を積みましたが、その業界特有の閉鎖的な風土や人間関係に悩み、退職を決意。煩わしい人間関係にとらわれづらい働き方を考えたところ、派遣社員として勤めるのが最も私には合っているだろうと考えました。

選んだのはシステム会社での事務職。事業部の総務、庶務、簡単な経理その他頼まれ仕事をなんでもこなす便利屋的ポジションでの仕事を選びました。それまでの職場で積んできたキャリアに通じるものがあり、頼まれ仕事なども臨機応変に対応する自信がありました。

その仕事は一度の面接で採用が決まりました。面接というより、こちらから不明点等をどんどん聞ける職場見学といった雰囲気でした。実際働いてみると、私には派遣という働き方がとてもあっていることがわかりました。これは職場によると思いますが、やはり派遣社員は社員に比べて変な派閥争いのようなものに巻き込まれづらいですし、業務時間内の仕事をきちんとしていればあとは干渉されるようなことはありません。また、それまで働いていた財団法人とは違い、やはり明確に営利を追求する株式会社というのは新鮮な魅力がありました。

比較的ルールなどは緩い会社でしたので、社員の中には少し遅刻をしてくる人、仕事中に私語が多い人がいて、こういう働き方も許される職場なんだ・・・という気もありましたが、やはりそこは「自分は派遣社員で働かせてもらっているんだ、社員と同じルールが通用すると思ったらいけない」という意識は常に持っていました。実際同じようにだらしない働き方をしていた派遣社員仲間は契約の更新はありませんでした。まず「仕事ができるか」よりも「社会人として当たり前のルールが守れるか」といった基本的な部分が重視されているように感じました。

前職で正職員として勤務していたときは、自分で仕事を見つけてどんどんさばいていくという働き方でしたが、派遣社員として明確に業務が定められてからは自分なりに考えて行動したことが「余計なこと」と見なされ、出過ぎた行為を謝罪することも最初のうちは多々ありました。「派遣社員は正社員から指示されたことのみしっかりこなす」という働き方になかなか慣れずに苦労しましたが、1年もするとそれが当たり前になってきました(これは職場それぞれの風土に依るところが大きいと思います)。

同じ仕事をルーティンでこなし、完全に仕事も覚え、山も谷もない仕事を続けるのは大変楽ではありましたが、3年目以降くらいから物足りなさを感じ始めたのも事実です。大学の同級生などは正社員として責任のあるポジションの仕事を任されバリバリ仕事をしているのに、私は・・・などと思うことも多くなりました。派遣社員として働き始めて5年目、35歳の時、派遣会社に「紹介予定派遣」について尋ねたところ、この年齢からの紹介予定は正直よっぽどのキャリアがないと厳しいとのこと。延々同じ仕事で派遣社員として勤めてきた私にとっては利用しにくいシステムだと言われました。

その後私は結婚しましたが、家事との両立は十分可能な仕事だったため、迷うことなく仕事を続行。結婚生活をしながらでも無理なく続けられる環境に再び感謝するようになりました。そして妊娠をし、派遣契約は終了となりました。

現在は派遣元の社員という形式で産休を取得することができ、産後は育休も取得予定です。派遣元がしっかりしているため制度を利用しやすく助かっているのですが、今頭を悩ませているのは育休終了後の仕事復帰について。もとの派遣先に戻れるなどとは思っていませんが、派遣社員としてどこかしらで勤務したいとは思っています。しかし、産後1年の人間を採用する派遣先はそうそうないこと、そして仕事が決まっていないと保育園などは到底入れないことを考えると、やはり育休終了後に派遣社員として復帰するのは無理だろうと半分あきらめています。

そうは言っても前職退職後、8年にわたっておおむね穏やかな気持ちで働き続けられたのは派遣社員という働き方が自分に合っていたからだと思いますし、今後もチャンスがあれば派遣として復帰したいと考えています。