システムエンジニアとして入社したら請負先に派遣

システムエンジニアとして社員数が15名程度の小規模なIT企業に入社しました。自分は、それまでシステムエンジニアとしての経験がなく、未経験でも応募可能とのことで私は応募したのです。そして、採用面接でも未経験者であることを伝えていました。そして、仮に入社した場合は、社内で初歩的なプログラミングから教育してもらうという約束をしてもらいました。

入社したのですが、社員が誰もいません。社内には社長と私しかいません。社長からは、1冊の本を渡されて「これで、ACCESSのマクロを組む練習をしてくれ」と指示を受けました。それから私は2週間、ACCESSでマクロを組む練習をしていました。その間、社長は自分で別の仕事をしていました。社長自身が別の会社からプログラミングの仕事を請け負っているようでした。その合間に、社員の給与計算の仕事などを処理しているようでした。

ほとんど、社長と私の2人で過ごしていたのですが、たまに会社の社員がやってきました。そして2時間くらい社長と打ち合わせをしたと思ったら、また会社から出ていくのでした。

入社して2週間後、社長から「キミには取引先のA社に常駐してもらうことになった。A社にはすでに、当社の社員が3名常駐しているから心配いらない。A社で働くようになったら、彼らからキミにプログラミングなど仕事については指導するように手配する」と通告を受けました。さらに、「A社に常駐してもらうのだが、その前に当社の社員が常駐している部署の部長と課長から面接を受ける。キミは本当は、システムエンジニアとしては素人だが、それではA社の面接を通らない。だから、こちらでキミの経歴書を用意した。これをA社に提出するし、キミもこのとおりに面接では話してほしい」と指示を受けました。自分は唖然としました。自分は社長に「それは無理です。仮に面接をとおったとしても、A社での仕事が始まればすぐに素人だということが、ばれると思います」と主張しました。ところが社長は、A社に行ったあとは当社の社員がキミの指導をするのだから心配いらないと強弁するのです。

私は観念して、A社の面接に出向きました。A社に行くと、自分の会社の先輩社員が待っていました。会うのは、たった2回目です。そして、社長から言われたとおりにすればいいと言われました。私は面接では、嘘の経歴を説明しました。2つくらい質問を受けましたが、おそらくトンチンカンな回答だったのでしょう、A社の部長と課長は苦笑いをしていました。そして、「まあ、いいや。全ての責任はキミがとってくれるんだろうな」と私の先輩社員に向かって言いました。それで面接は終わって、次の日から自分はA社で働くことになりました。

ところが、A社ではプロジェクトチームごとに分かれていて、自分の会社の先輩と、自分の所属チームは別々でした。ですから、先輩社員から仕事を教わることができない状況に自分は放り込まれてしまったのです。自分は、初日から何もわかりませんでした。そして、別のチームにいる先輩社員に相談したところ、「わからないときは、チームのリーダーに聞けば教えてくれるもんだよ」と言うだけです。素直にチームリーダーに質問すると、「キミは即戦力として、ウチの会社に来たんじゃないの?」と聞かれました。

自分は終わったと思いました。それ以降は、自分はただの厄介者です。いろいろな人から椅子を蹴られたり、遠くからわざと自分に聞こえるように悪口を言われました。3カ月間その状況が続き、自分は耐えられなくなり、A社の課長宛てに「面接のときの自分の経歴はすべて嘘です。本当は何も知らない素人です」とメールを送りました。そして、私は自分の会社に戻されましたが、もはや会社に騙されたとしか思えませんでしたので、会社を退職しました。